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  • 2017年12月26日

拘縮の組織学的変化とは

拘縮の組織学的変化とは

拘縮の組織学的変化とは 640 480 日本徒手医学リハビリテーション協会-姫路発、疼痛治療を学びたい理学療法士必見

おはようございます。
役員の井尻です。
今回は拘縮の組織学的変化について書きます。
まだ、十分に解明されていない部分ではありますが、豆知識として理解しておいていただければと思います。

不動によって局所の循環障害が生じ、軟部組織の組織浸潤が起こり、結合組織が増殖し関節腔の癒着に進展する。
長期の不動による関節の組織学的変化については、これまで多くの研究者によって報告されているが、報告間に矛盾があり統一された見解がない。
これまでの報告をまとめると次のようになる。

まず、関節の不動により局所循環が障害され、滑膜と滑膜下層の血管にうっ血が生じ、そのため血管周囲の軟部組織に浮腫が起こる。この浮腫が血管内圧を上昇させ、軟部組織の細胞浸潤を招き、細胞性増殖を引き起こす。また浮腫による線維素析出が発生し、結合組織の増殖を生じた結果、関節包・靭帯の柔軟性の低下や関節包の狭小化を招く。そして、関節軟骨の全体にわたる関節壊死などと重なって、徐々に関節腔内の線維性癒着に至るとされている。しかし、不動が及ぼす関節の組織学的変化については、十分に解明されておらず、今後の研究報告が待たれる。

<まとめ>
局所の循環障害が初めに発生していますね。そこからもROMやマッサージを行うことは拘縮を発生させるのを防ぐと考えることができます。治療の意義の説明として理解しておくと良い部分かと思います。