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膝治療のガイドライン

非薬物療法と薬物療法の併用は有効か?

非薬物療法で推奨されているのは、①患者教育、②減量、③運動療法の3本柱です。薬物療法は痛み止めなどです。
①非薬物療法と薬物療法の併用は有効か?。
⇒GradeA

①患者教育
基本的には、疾患の理解と日常生活の変化を促します。特に、なぜ現状になったのか?また運動療法、減量や、日常生活での動作(正座などの膝の深く屈曲する動作は行わない、日常生活では椅子を使う)などの重要性を伝え、指導します。治療に関して、病院や医療者に治してもらうという「依存的」な関係性ではなく、その依存的な考えを是正し、患者自身が減量や運動療法に積極的に取り組むことが重要になります。
自己管理プログラムを指導した研究では、痛みが改善し、運動時間の増加、関節可動域の増大、ADLや自己効力感が向上したとの結果も報告されています。(Yip YB:2007)

②減量
食事療法や運動を行って減量することにより、ADL動作能力や持久力、膝の痛みが大きく改善されるという報告が多くあります。(Focht BC:2005、messier SP:2004)。肥満体系の方は、減量を行うことにより膝の痛みや動作能力が改善すると思います。明確なBMIの基準点などはありませんが、BMI:25以下が理想と言われています。『あなた』はどうでしょうか?今BMIを測定し、確認してみてください。

③運動

 

 

非薬物療法は有効か?

①情報提供と教育(全患者、治療目的と方法)
⇒GradeA

②定期的・継続的な有酸素運動療法(筋力強化訓練および関節可動域訓練)
⇒GradeA

③減量と体重維持
⇒GradeB

④歩行補助具使用(疼痛軽減目的)
⇒GradeA

⑤足底版使用
⇒GradeB

 

 

薬物療法は有効か?

①NSAIDs[cox-2阻害薬(胃腸障害時、PPI&PG服用)]
⇒GradeA

②外用NSAIDsおよびカプサイシン(トウガラシ抽出物)
⇒GradeB

③副腎皮質コルチコステロイド関節内注射
⇒GradeC

④ヒアルロン酸関節内注射の仕様
⇒GradeB

⑤グルコサミンやコンドロイチン硫酸の投与(症状改善の目的)
⇒GradeI

⑥グルコサミンやコンドロイチン硫酸の使用(軟骨保護作用を目的)
⇒GradeD

 

 

外科的療法は有効か?

①人口膝関節置換術
⇒GradeA

②限定された膝OA患者に対する単顆膝関節置換術
⇒GradeC

③高位脛骨骨切り術
⇒GradeB

④関節洗浄および関節鏡視下デブリドマンの実施
⇒GradeC

④関節固定術の実施
⇒GradeC

 

 

参考文献:川口 浩,変形性関節症治療の国内外のガイドライン,日関病誌,35(1):1~9,2016.